PerlとVBAに将来性はあるのか――この問いは、両言語に長く関わってきたエンジニアだけでなく、これからキャリアを築こうとする若手エンジニアにとっても、無視できないテーマです。
PerlはWeb黎明期の「CGIスクリプト言語」として一世を風靡し、VBAはExcelを中心とした業務自動化の“定番ツール”として、多くの企業で不可欠な存在でした。
しかし、2020年代に入り、モダンなWebフレームワークやノーコード/ローコードツールが普及する中で、両者の市場での立ち位置は大きく変わりつつあります。
本記事では、次の3つの観点から、PerlとVBAの「将来性」と「エンジニアとしての生存戦略」を整理します。
- 市場需要の推移:過去10〜20年の案件数・求人トレンドを俯瞰し、どの領域でまだ需要があり、どこが縮小しているのかを可視化します
- 案件数の違いと単価の傾向:PerlとVBAそれぞれの案件ボリューム・単価・業界分布を比較し、「今、どちらに時間を投資すべきか」の判断材料を提示します
- スキル移行のポイント:PerlからPythonやGoへの移行、VBAからPythonやPower Automate/ノーコードツールへの移行など、具体的なスキルマップと学習ロードマップを提案します
ここで重要なのは、「Perlはもう終わった」「VBAはすぐに消える」といった二項対立ではなく、残る需要と縮小する需要を冷静に切り分けることです。
たとえば、レガシーな金融系システムや基幹システムでは、Perlによるバッチ処理やログ解析が今も動き続けており、保守・改修案件は一定数存在します。
一方で、新規Webサービスのバックエンド開発でPerlが選ばれるケースは、ほぼ皆無に近いのが現実です。
同様に、VBAも「Excelを中心とした定型業務の自動化」というニッチでは、依然として高い生産性を発揮します。
しかし、クラウド型のスプレッドシートやRPAツールが普及したことで、新規開発の主戦場は確実に移行しつつあることも事実です。
本記事では、こうした現状認識を踏まえ、PerlやVBAに依存したスキルセットを持つエンジニアが、どのようにして次の10年を見据えたキャリア戦略を立てるべきか――具体的な技術スタックの移行例や、学習リソースの選び方まで含めて解説します。
「Perl/VBAエンジニアはもう不要なのか?」という不安に対して、データとロジックに基づいた、建設的な答えを提示することを目指します。
PerlとVBAの現在地:歴史的役割と市場での立ち位置

1990年代後半から2000年代にかけて、PerlとVBAはそれぞれの領域で「事実上の標準」に近い存在でした。
PerlはWeb黎明期のCGIスクリプト言語として、VBAはExcelを中心とした業務自動化の主役として、多くの現場で不可欠な技術でした。
しかし、2020年代に入り、モダンなWebフレームワークやノーコード/ローコードツールが普及する中で、両者の市場での立ち位置は大きく変化しています。
本節では、PerlとVBAの歴史的役割と現在の市場での立ち位置を、需要推移と案件の特徴という観点から整理します。
Perlは「レガシー保守・バッチ処理」、VBAは「Excel中心の定型業務自動化と小規模内製ツール」という、それぞれのニッチに収束しつつある現状を明らかにします。
Perlの需要推移:CGI全盛期からレガシー保守・バッチ処理へ
Perlの需要は、1990年代後半のCGI全盛期にピークを迎えました。
当時は、Webサーバー上でPerlスクリプトを動かし、動的なWebページを生成する手法が広く使われていました。
しかし、2000年代以降、PHPやRuby on Rails、PythonのDjango/FlaskといったモダンなWebフレームワークが登場し、Perlは新規Web開発の主戦場から徐々に退いていきます。
現在のPerl需要は、以下のような領域に集約されつつあります。
- レガシーシステムの保守・改修:金融機関や基幹システムで長年稼働しているPerl製バッチ処理・ログ解析スクリプトの保守案件
- バッチ処理・ETL:テキスト処理や正規表現の強みを活かしたデータ変換・ログ解析などのバッチ処理
- 小規模な運用スクリプト:サーバー運用やログ管理など、比較的軽量な自動化スクリプト
新規WebサービスのバックエンドとしてPerlが選ばれるケースはほぼ皆無ですが、既存システムの保守というニッチでは、依然として一定の需要が残っているのが現状です。
VBAの需要推移:Excel自動化の主役からRPA・ノーコードへ
VBAは、Microsoft Office、特にExcelのマクロ機能として広く普及し、「Excelさえあれば業務自動化ができる」という強力な価値提案を持っていました。
定型レポートの自動作成、データ集計、帳票出力など、多くの事務職・経理職の方がVBAを使って業務効率化を実現してきました。
しかし、2010年代後半以降、以下のような変化が進み、VBAの役割は変わりつつあります。
- RPAツールの普及:UiPathやPower Automateなど、GUI操作を記録・再生するRPAツールが登場し、VBAで行っていた一部の自動化が置き換えられています
- ノーコード/ローコードツールの台頭:ExcelのPower QueryやPower Pivot、GoogleスプレッドシートのApps Scriptなど、より直感的な自動化手段が増えました
- クラウド型スプレッドシートの普及:ブラウザ上で動作するスプレッドシートでは、VBAが使えないケースが多く、代替技術が求められています
その結果、VBAの需要は「Excel中心の定型業務自動化」と「小規模な内製ツール開発」に収束しつつあります。新規の大規模業務システムでVBAが採用されることはほぼなくなりましたが、既存のExcelベース業務フローを維持するための保守・改修案件は、まだ多く存在します。
Perl案件の特徴:金融・基幹系レガシー保守とバッチ処理が中心
Perl案件の特徴を整理すると、以下のような傾向が見えてきます。
- 業界分布:金融機関、通信キャリア、製造業の基幹システムなど、長年稼働している大規模システムが多い
- 案件内容:既存Perlスクリプトの保守・改修、バッチ処理の性能改善、ログ解析スクリプトの拡張などが中心
- 技術スタック:Perl 5系が主流で、モジュールのバージョンアップやセキュリティ対応が課題となることが多い
- 単価・期間:レガシー保守案件であるため、単価は中程度〜高めだが、長期にわたる保守契約が多い
Perl案件は「新規開発」よりも「既存資産の維持」が主目的であることが多く、安定した需要がある一方で、技術的な新鮮味は少ないという特徴があります。
VBA案件の特徴:Excel中心の定型業務自動化と小規模内製ツール
一方、VBA案件の特徴は以下のように整理できます。
- 業界分布:製造業、商社、サービス業など、Excelを多用する業種全般に広く分布
- 案件内容:Excelマクロの保守・改修、新規マクロ開発、定型レポート自動作成ツールの構築など
- 技術スタック:VBA単体、あるいはExcel+Access連携など、Microsoft Officeエコシステム内での完結が多い
- 単価・期間:小規模・短期案件が多く、単価は比較的低め。内製案件が多いため、外部ベンダー向けの高単価案件は少ない
VBA案件は「業務部門のニーズに即した小規模自動化」が中心であり、IT部門ではなく、現場の業務担当者が主体となるケースが多いのが特徴です。
そのため、エンジニアとして関わる場合も、要件定義やヒアリングの比重が高くなる傾向があります。
以上のように、PerlとVBAはそれぞれ異なる歴史的経緯を経て、現在は「レガシー保守・バッチ処理」と「Excel中心の定型業務自動化」というニッチに収束しつつあります。
次の節では、こうした需要の推移を踏まえ、PerlとVBAの案件数・単価の違いをより定量的に比較していきます。
PerlとVBAの案件数・単価の比較:レガシー需要と内製需要の違い

PerlとVBAは、どちらも「過去に広く使われたが、現在はニッチに収束しつつある言語」という点で共通しています。
しかし、案件のボリューム(件数)と単価傾向を比較すると、両者の需要構造には明確な違いが見えてきます。
Perlは「レガシー保守」を中心とした外部委託案件が多く、VBAは「内製・小規模自動化」を中心とした現場主導の案件が多い、という構図です。
本節では、PerlとVBAの案件数・単価を比較し、それぞれの需要の質の違いを明らかにします。
Perl案件はレガシー保守案件としての安定感、VBA案件は内製・小規模案件としてのボリューム感が特徴であり、エンジニアとしての関わり方やキャリア戦略も異なってきます。
Perl案件のボリュームと単価傾向:レガシー保守は多いが新規開発は少ない
Perl案件のボリューム(件数)を俯瞰すると、以下のような傾向が見られます。
- 新規開発案件はほぼ存在しない:新規Webサービスやモダンな業務システムでPerlが採用されるケースは極めて稀です
- レガシー保守案件が中心:金融機関や基幹システムで長年稼働しているPerl製バッチ処理・ログ解析スクリプトの保守・改修案件が一定数存在します
- 案件の地域偏在:大都市圏の金融機関や大手SIerを中心に案件が集中し、地方ではPerl案件がほとんど見られないこともあります
単価傾向については、以下のような特徴があります。
- レガシー保守案件は単価が高め:Perlに精通したエンジニアが少なくなっているため、希少性が高く、単価は中程度〜高めに設定されることが多いです
- 長期契約が多い:基幹システムの保守は長期にわたるため、1年単位の契約や、数年単位のフレーム契約が一般的です
- 技術的な新鮮味は少ない:Perl 5系の保守が中心で、モダンな技術スタックへの移行案件は限定的です
Perl案件は「数は多くないが、単価は高めで安定している」というイメージで捉えることができます。
ただし、新規開発案件がほぼないため、Perl単体でキャリアを伸ばすのは難しく、モダン言語へのスキル移行が不可欠です。
VBA案件のボリュームと単価傾向:内製・小規模案件が多く単価は低め
一方、VBA案件のボリュームと単価傾向は、Perlとは対照的です。
- 案件数は非常に多い:Excelを多用する企業は多く、VBAマクロの保守・改修・新規開発案件は全国的に広く存在します
- 内製案件が中心:IT部門ではなく、業務部門が主体となって発注する小規模案件が多く、外部ベンダー向けの大規模案件は少ないです
- 短期・小規模案件が多い:1〜3ヶ月程度の短期案件や、数十時間単位の小規模改修案件が主流です
単価傾向については、以下のような特徴があります。
- 単価は比較的低め:内製案件が多く、業務部門の予算感に合わせた単価設定になるため、Perl案件に比べて単価は低めです
- フルタイム常駐案件は少ない:VBA単体でフルタイム常駐する案件は少なく、他の言語やツールと組み合わせたポジションが多いです
- 現場の業務知識が重要:VBA案件では、Excelの業務フローや帳票設計の理解が不可欠で、純粋な技術力だけでなく、業務知識が評価されます
VBA案件は「案件数は多いが、単価は低めで小規模案件が多い」というイメージです。
ボリュームはあるものの、単価面での伸びしろは限定的であり、VBAだけに依存したキャリアはリスクが高いと言えます。
PerlとVBAの需要構造の違いを整理する
PerlとVBAの需要構造の違いを、以下のように整理できます。
| 項目 | Perl案件 | VBA案件 |
|---|---|---|
| 需要の質 | レガシー保守中心 | 内製・小規模自動化中心 |
| 案件数 | 少なめだが安定 | 非常に多い |
| 単価傾向 | 中程度〜高め | 低め |
| 契約形態 | 長期保守契約が多い | 短期・小規模案件が多い |
| 発注主体 | 外部ベンダー・SIer | 業務部門・現場主導 |
この比較から分かるように、Perl案件はレガシー保守としての安定感、VBA案件は内製・小規模案件としてのボリューム感が特徴です。
エンジニアとしての関わり方も、Perlは「既存資産の維持・改善」、VBAは「現場の業務効率化支援」という色合いが強くなります。
次の節では、こうした案件数・単価の違いを踏まえ、PerlとVBAの将来性を「残る需要」と「縮小する需要」に分けて分析していきます。
PerlとVBAの将来性:残る需要と縮小する需要を冷静に切り分ける

PerlとVBAの将来性を語る際に重要なのは、「もう終わった言語」か「まだ使える言語」かという二項対立ではなく、どの領域で需要が残り、どの領域で需要が縮小するのかを冷静に切り分けることです。
感情論やノスタルジーに流されず、技術の特性と市場の変化を踏まえて判断する必要があります。
本節では、PerlとVBAそれぞれについて「残る需要」と「縮小する需要」を整理します。
Perlはレガシー保守・ログ解析・バッチ処理といった領域で一定の需要が残る一方、VBAはExcel中心の定型業務自動化と小規模内製ツールというニッチに収束しつつあります。
また、両者に共通して「新規Web開発や大規模業務システムでの採用」という領域は、ほぼ縮小していくと考えられます。
Perlに残る需要:レガシー保守・ログ解析・バッチ処理
Perlに残る需要は、主に以下の3つの領域に集約されます。
- レガシーシステムの保守:金融機関や基幹システムで長年稼働しているPerl製バッチ処理・ログ解析スクリプトの保守・改修案件は、今後も一定数存在します。これらのシステムは、コストやリスクの観点から簡単には置き換えられず、Perlエンジニアの需要は継続します
- ログ解析・テキスト処理:Perlの正規表現やテキスト処理の強みを活かしたログ解析・データ変換スクリプトは、今も現場で重宝されています。特に、既存のPerl資産が豊富な環境では、新規にPython等へ移行するよりも、Perlで拡張する方が現実的なケースもあります
- バッチ処理・ETL:夜間バッチやデータ連携処理など、安定性と実績が重視される領域では、Perl製スクリプトが依然として稼働しています。新規開発は減っても、既存資産の維持という観点では、需要は残ります
Perlの将来性は「新規開発の主戦場からは退いたが、レガシー保守・バッチ処理というニッチではまだ需要がある」という点にあります。
Perlエンジニアとして生き残るには、このニッチを深掘りしつつ、モダン言語へのスキル移行を並行して進めることが重要です。
VBAに残る需要:Excel中心の定型業務自動化と小規模内製ツール
VBAに残る需要は、主に以下の2つの領域に集約されます。
- Excel中心の定型業務自動化:月次レポートの自動作成、データ集計、帳票出力など、Excelを中心とした定型業務の自動化は、依然として多くの企業で必要とされています。特に、業務部門が主体となる小規模な自動化では、VBAの学習コストの低さとExcelとの親和性が強みです
- 小規模内製ツール:部門内で完結する簡易ツールや、既存Excelワークシートの拡張など、小規模な内製ツール開発ではVBAが引き続き使われます。IT部門のリソースが限られる中で、現場が自分たちでツールを作る手段として、VBAはまだ有効です
VBAの将来性は「Excelベースの業務フローが残る限り、保守・改修の需要は続く」という点にあります。
ただし、新規の大規模システムやクラウドネイティブな環境では、VBAの採用はほぼ見込めません。
VBAエンジニアとしては、Excel自動化の強みを活かしつつ、RPAやノーコードツールへのスキル展開を視野に入れる必要があります。
縮小する需要:新規Web開発や大規模業務システムでの採用
PerlとVBAに共通して、縮小していく需要として挙げられるのが、以下の領域です。
- 新規Web開発:PerlはかつてCGIスクリプト言語としてWeb開発の主役でしたが、現在はPHP、Ruby、Python、Node.jsなど、モダンなWebフレームワークが主流です。新規WebサービスでPerlが選ばれるケースはほぼありません
- 大規模業務システムの新規開発:VBAはExcelベースの小規模自動化には適していますが、大規模な業務システムや基幹システムの新規開発では採用されません。クラウド型のERPやSaaS、RPAツールが主流となっています
- モダンなクラウド環境での採用:AWS、Azure、GCPなどのクラウド環境では、PerlやVBAよりもPython、Go、Java、C#などが推奨されるケースが多く、Perl・VBAの新規採用は縮小傾向にあります
これらの領域では、PerlとVBAの需要は確実に縮小していきます。
エンジニアとしてのキャリアを考える際には、「残る需要で稼ぎつつ、縮小する需要からは計画的に撤退する」という戦略が重要です。
残る需要と縮小する需要の比較
PerlとVBAの将来性を整理すると、以下のようにまとめられます。
| 言語 | 残る需要 | 縮小する需要 |
|---|---|---|
| Perl | レガシー保守、ログ解析、バッチ処理 | 新規Web開発、モダンなクラウド環境での採用 |
| VBA | Excel中心の定型業務自動化、小規模内製ツール | 大規模業務システムの新規開発、クラウドネイティブ環境での採用 |
このように、PerlとVBAの将来性は「完全に終わる」のではなく、「特定のニッチに収束する」と捉えるのが現実的です。
次の節では、こうした将来性の見通しを踏まえ、PerlエンジニアとVBAエンジニアそれぞれの生存戦略を具体的に提案していきます。
Perlエンジニアの生存戦略:レガシー保守で稼ぎつつ、モダン言語への移行を進める

Perlエンジニアが今後10年を見据えてキャリアを築くためには、「Perlだけで生き残る」という発想ではなく、レガシー保守で安定して稼ぎつつ、モダン言語へのスキル移行を計画的に進めるという二段構えの戦略が現実的です。
Perlの需要はレガシー保守・バッチ処理というニッチに収束しつつありますが、その技術的経験はPythonやGo、Rustといったモダン言語への移行において大きなアドバンテージになります。
本節では、Perlエンジニアの生存戦略として、PerlからPythonへのスキル移行、およびPerlからGo/Rustへのスキル移行のポイントを整理します。
Perlで培ったテキスト処理・スクリプティングのスキルやバッチ処理・CLIツール開発の経験は、モダン言語でも十分に活かせるため、ゼロから学び直す必要はありません。
むしろ、Perlの強みを活かしつつ、モダンなエコシステムに適応していくことが重要です。
PerlからPythonへのスキル移行:テキスト処理・スクリプティングの共通点を活かす
PerlからPythonへのスキル移行は、テキスト処理・スクリプティングの共通点を活かすことで、比較的スムーズに進めることができます。
Perlで培った正規表現やテキスト処理のノウハウは、Pythonでもそのまま応用可能です。
- 正規表現の扱い:Perlの正規表現は非常に強力ですが、Pythonの
reモジュールでも同様の処理が可能です。Perlの=~演算子に慣れている方は、Pythonのre.search()やre.match()に置き換えるイメージで学習を進めると良いでしょう - テキスト処理のパターン:ログ解析やデータ変換など、Perlで行っていたテキスト処理のパターンは、Pythonの
open()、readlines()、split()、join()などを組み合わせることで再現できます。Perlのwhile (<>) { ... }に相当する処理は、Pythonではfor line in file:で実現できます - スクリプトとしての使い勝手:Perlは「スクリプト言語」としての使い勝手が良く、コマンドライン引数の扱いやファイル操作が得意でしたが、Pythonも同様にスクリプト用途に適しています。
argparseモジュールを使えば、PerlのGetopt::Longに相当するコマンドライン引数処理を実装できます
PerlからPythonへの移行で意識すべきは、「Perlの書き方をそのままPythonに移植する」のではなく、Pythonらしい書き方(Pythonic)に寄せていくことです。
例えば、Perlのmapやgrepに慣れている方は、Pythonのリスト内包表記やfilter()関数に置き換えることで、より簡潔で読みやすいコードを書けるようになります。
PerlからGo/Rustへのスキル移行:バッチ処理・CLIツール開発の延長線上
PerlからGoやRustへのスキル移行は、バッチ処理・CLIツール開発の延長線上と捉えることができます。
Perlで培った「軽量なスクリプトでバッチ処理をこなす」「コマンドラインツールを開発する」という経験は、GoやRustの世界でもそのまま活かせます。
- Goへの移行:Goはシンプルな文法と高速なコンパイル、そして豊富な標準ライブラリが特徴です。Perlで行っていたバッチ処理やCLIツール開発は、Goの
os、io、flagパッケージなどを組み合わせることで、より高速でメモリ効率の良い形で実現できます。特に、並行処理が必要なバッチ処理では、Goのゴルーチンとチャネルが強力な武器になります - Rustへの移行:Rustはメモリ安全性とパフォーマンスを両立した言語で、システムプログラミングや高性能なCLIツール開発に適しています。Perlで扱っていたテキスト処理やログ解析をRustで書き直すことで、メモリ安全性を担保しつつ、高いパフォーマンスを発揮できます。ただし、Rustの所有権システムやライフタイムには学習コストがかかるため、まずはGoから始め、必要に応じてRustに進むというステップも現実的です
PerlからGo/Rustへの移行で重要なのは、「Perlのスクリプト的な発想を、コンパイル言語の設計思想に合わせてアップデートする」ことです。
Perlでは「とりあえず動くスクリプト」を書くことが多かったかもしれませんが、GoやRustでは型安全性やエラー処理を意識した設計が求められます。
Perlエンジニアのスキル移行のステップ
Perlエンジニアがモダン言語への移行を進める際のステップを、以下のように整理できます。
- Pythonでテキスト処理・スクリプティングを再現する:Perlで行っていたログ解析やデータ変換をPythonで書き直し、Pythonのエコシステム(pandas、requests、FastAPIなど)に慣れる
- GoでCLIツール・バッチ処理を高速化する:Pythonで実装したツールをGoに移植し、並行処理やメモリ効率の改善を体験する
- 必要に応じてRustに挑戦する:より高性能なシステムや安全性が求められる領域で、Rustを選択肢として検討する
このように、Perlエンジニアは「Perlだけ」に固執するのではなく、Perlの強みを活かしつつ、Python・Go・Rustといったモダン言語へ段階的に移行することで、キャリアの選択肢を広げることができます。
次の節では、VBAエンジニアの生存戦略についても同様に整理していきます。
VBAエンジニアの生存戦略:Excel自動化の強みを活かしつつ、RPA・ノーコードへ展開

VBAエンジニアが今後10年を見据えてキャリアを築くためには、「VBAだけで生き残る」という発想ではなく、Excel自動化の強みを活かしつつ、RPAやノーコードツールへスキルを展開していくという戦略が現実的です。
VBAの需要はExcel中心の定型業務自動化と小規模内製ツールというニッチに収束しつつありますが、その業務自動化のノウハウはPythonやRPA、ノーコードツールの世界でも大きなアドバンテージになります。
本節では、VBAエンジニアの生存戦略として、VBAからPython+Excel連携への移行、およびVBAからPower Automate・ノーコードツールへの移行のポイントを整理します。
VBAで培ったExcel操作の自動化スキルや業務フロー改善の経験は、Pythonのpandas/openpyxlやRPAツールでも十分に活かせるため、ゼロから学び直す必要はありません。
むしろ、VBAの強みを活かしつつ、モダンな自動化技術に適応していくことが重要です。
VBAからPython+Excel連携への移行:pandas/openpyxlで業務自動化を拡張
VBAからPython+Excel連携への移行は、Excel操作の自動化スキルを活かしつつ、より高度なデータ処理を実現するという観点で非常に有効です。
Pythonのpandasライブラリとopenpyxlライブラリを組み合わせることで、VBAでは難しかった大規模データ処理や複雑なデータ変換を、効率的に実装できます。
- pandasによるデータ処理:VBAではループ処理で行っていたデータ集計やフィルタリングは、pandasの
DataFrameを使うことで、より簡潔で高速に実現できます。例えば、複数シートのデータを結合したり、条件に基づいてデータを抽出したりする処理は、pandasのconcat()やquery()メソッドで簡単に記述できます - openpyxlによるExcel操作:VBAの
RangeやWorksheetオブジェクトに相当する操作は、openpyxlのWorkbookやWorksheetオブジェクトで再現できます。セルの読み書き、書式設定、グラフの作成など、VBAで行っていたExcel操作の多くは、openpyxlで代替可能です - 業務自動化の拡張:VBAではExcel内に閉じていた自動化処理を、Pythonに移行することで、Web API連携やデータベース連携、機械学習ライブラリとの組み合わせなど、より広範な自動化が可能になります。例えば、毎日の売上データをWeb APIから取得し、pandasで加工したうえでExcelに出力する、といった処理も実現できます
VBAからPythonへの移行で意識すべきは、「VBAの書き方をそのままPythonに移植する」のではなく、Pythonらしいデータ処理のパターン(pandasのベクトル演算など)に寄せていくことです。
VBAのループ処理に慣れている方は、pandasのapply()メソッドやベクトル演算を学ぶことで、より効率的なコードを書けるようになります。
VBAからPower Automate・ノーコードツールへの移行:UI操作自動化の延長
VBAからPower Automateやノーコードツールへの移行は、UI操作自動化の延長線上と捉えることができます。
VBAで培った「Excelの画面操作を自動化する」「ボタンクリックでマクロを実行する」といった経験は、RPAツールやノーコードツールの世界でもそのまま活かせます。
- Power Automateによる自動化:Microsoft Power Automateは、Excelだけでなく、Webブラウザや他のOfficeアプリケーションとの連携も可能なRPAツールです。VBAで行っていた「特定のボタンをクリックしてマクロを実行する」といった処理は、Power Automateのフローとして視覚的に設計できます。特に、定型業務の自動化では、VBAよりも直感的でメンテナンスしやすいフローを構築できるケースがあります
- ノーコードツールとの連携:ExcelのPower QueryやPower Pivot、GoogleスプレッドシートのApps Scriptなど、ノーコード/ローコードツールもVBAの代替として活用できます。VBAエンジニアは、これらのツールのロジック設計やデータフロー設計において、業務知識を活かすことができます
- UI操作自動化の延長:VBAで行っていた「セルを選択してコピーする」「別のシートに貼り付ける」といったUI操作は、RPAツールでは「レコーディング機能」を使って簡単に記録できます。VBAエンジニアは、その記録されたフローを修正・拡張する役割を担うことで、スムーズにRPA領域へ移行できます
VBAからPower Automate・ノーコードツールへの移行で重要なのは、「VBAのロジック設計能力を、RPAフローやノーコードツールの設計に応用する」ことです。
VBAで培った条件分岐やループ処理の考え方は、RPAフローの分岐や繰り返し処理にもそのまま応用できます。
VBAエンジニアのスキル移行のステップ
VBAエンジニアがモダンな自動化技術へ移行する際のステップを、以下のように整理できます。
- Python+pandas/openpyxlでデータ処理を拡張する:VBAで行っていたExcel自動化をPythonに移植し、大規模データ処理や外部連携を体験する
- Power AutomateでUI操作自動化を再現する:VBAのマクロをPower Automateのフローとして再設計し、ノーコード/ローコードの考え方に慣れる
- 業務改善コンサルとしての視点を養う:技術だけでなく、業務フロー改善やコスト削減の提案力も高め、エンジニアから「業務改善の専門家」へキャリアを広げる
このように、VBAエンジニアは「VBAだけ」に固執するのではなく、Excel自動化の強みを活かしつつ、PythonやRPA、ノーコードツールへ段階的に移行することで、キャリアの選択肢を広げることができます。
次の節では、PerlエンジニアとVBAエンジニアのスキル移行ロードマップを具体的に比較していきます。
スキル移行の具体的ロードマップ:学習ステップと実務への組み込み方

PerlエンジニアとVBAエンジニアがモダンな技術スタックへ移行する際には、「何を学ぶか」だけでなく、「どの順序で学び、どう実務に組み込むか」というロードマップが重要です。
闇雲に新しい技術を学ぶのではなく、既存スキルとの親和性が高く、キャリアの選択肢を広げられる技術から段階的に取り組むことが、成功の鍵になります。
本節では、Perlエンジニア向けのロードマップ(Python→Webフレームワーク→クラウド連携)と、VBAエンジニア向けのロードマップ(Python→RPA/ノーコード→業務改善コンサル)を具体的に示します。
また、学習リソースの選び方についても、書籍・動画・OSS・実務案件のバランスという観点から整理します。
Perlエンジニア向けロードマップ:Python→Webフレームワーク→クラウド連携
Perlエンジニアがモダンな技術スタックへ移行する際のロードマップは、以下の3ステップが現実的です。
- Pythonの基礎習得:Perlで培ったテキスト処理・スクリプティングのスキルを活かしつつ、Pythonの基本文法と標準ライブラリを学びます。特に、
reモジュールによる正規表現、os・sysモジュールによるファイル操作、argparseによるコマンドライン引数処理など、Perlと共通する領域から始めることで、学習コストを抑えられます - Webフレームワークの習得:Pythonの基礎が固まったら、FastAPIやFlaskといった軽量なWebフレームワークに取り組みます。Perlで行っていたCGIスクリプト的な処理を、REST APIとして再実装するイメージで学習を進めると良いでしょう。まずはシンプルなAPIを作成し、徐々にデータベース連携や認証機能を追加していきます
- クラウド連携の習得:Webフレームワークで構築したアプリケーションを、AWSやAzure、GCPなどのクラウド環境にデプロイする方法を学びます。コンテナ化(Docker)やサーバーレス(AWS Lambdaなど)へのデプロイを通じて、モダンなインフラ運用のノウハウを身につけます
このロードマップのポイントは、Perlの強み(テキスト処理・スクリプティング)を活かしつつ、Webとクラウドという新しい領域へ段階的に進出することです。
Perlエンジニアは、既存のレガシー保守案件で安定して稼ぎつつ、PythonとWebフレームワーク、クラウド連携を並行して学ぶことで、キャリアの選択肢を広げることができます。
VBAエンジニア向けロードマップ:Python→RPA/ノーコード→業務改善コンサル
VBAエンジニアがモダンな自動化技術へ移行する際のロードマップは、以下の3ステップが現実的です。
- Pythonの基礎習得:VBAで培ったExcel操作の自動化スキルを活かしつつ、Pythonの基本文法と
pandas・openpyxlライブラリを学びます。まずは、VBAマクロで行っていたデータ集計や帳票出力をPythonで再現し、より効率的なデータ処理を体験します - RPA/ノーコードツールの習得:Pythonでデータ処理の基礎が固まったら、Power AutomateなどのRPAツールやノーコードツールに取り組みます。VBAで行っていたUI操作自動化を、RPAフローとして再設計し、より直感的でメンテナンスしやすい自動化を実現します
- 業務改善コンサルとしての視点獲得:技術だけでなく、業務フロー改善やコスト削減の提案力も高めます。PythonやRPAを使って「どの業務を自動化すれば最も効果が高いか」を定量・定性的に分析し、経営層や業務部門に対して提案できるようになることが目標です
このロードマップのポイントは、Excel自動化の強みを活かしつつ、PythonとRPA/ノーコードツールを組み合わせて、より広範な業務改善を実現することです。
VBAエンジニアは、現場の業務知識を武器に、技術者から「業務改善の専門家」へキャリアをシフトすることができます。
学習リソースの選び方:書籍・動画・OSS・実務案件のバランス
スキル移行を成功させるためには、学習リソースの選び方も重要です。
書籍・動画・OSS・実務案件のバランスを意識することで、効率的にスキルを身につけることができます。
- 書籍:体系的な知識を身につけるのに適しています。特に、言語の基礎文法や設計原則を学ぶ際には、信頼性の高い書籍を1冊選び、通読することをおすすめします
- 動画:実装の手順やデモを見ながら学びたい場合に有効です。YouTubeやオンライン学習プラットフォームの講座を活用し、実際に手を動かしながら学習を進めると良いでしょう
- OSS:GitHubなどのOSSプロジェクトを参考にすることで、実践的なコードの書き方や設計パターンを学べます。まずは小さなPR(プルリクエスト)から始め、徐々に貢献範囲を広げていくのがおすすめです
- 実務案件:学んだ技術を実際の業務に組み込むことで、定着度が格段に高まります。まずは社内の小規模な自動化案件や改善提案から始め、成功事例を積み重ねていくことが重要です
これらのリソースをバランスよく組み合わせることで、理論と実践の両面からスキルを高めることができます。
PerlエンジニアもVBAエンジニアも、既存の強みを活かしつつ、段階的に新しい技術に適応していくことで、将来のキャリアをより安定したものにできます。
次の節では、PerlとVBAエンジニアのキャリア戦略を総括し、具体的な行動指針を提示します。
PerlとVBAエンジニアのキャリア戦略:レガシーを活かしつつモダンへシフトする道筋

PerlとVBAエンジニアが今後10年を見据えてキャリアを築くためには、「レガシー技術に固執する」でも「いきなりモダン技術に飛びつく」でもなく、レガシーを活かしつつモダンへシフトするというバランスの取れた戦略が不可欠です。
PerlとVBAはそれぞれ異なる歴史的経緯を持ち、現在はニッチな需要に収束しつつありますが、その技術的経験と業務知識は、モダンな技術スタックへの移行において大きなアドバンテージになります。
本節では、PerlエンジニアとVBAエンジニアそれぞれのキャリア戦略を、レガシーを活かしつつモダンへシフトするという観点から整理します。
Perlエンジニアは「レガシー保守で安定して稼ぎつつ、PythonやGo/Rustへ移行する」、VBAエンジニアは「Excel自動化の強みを活かしつつ、PythonやRPA/ノーコードツールへ展開する」という道筋が現実的です。
また、両者に共通するキャリア設計の原則として、技術的スキルだけでなく、業務知識と提案力を高めることが重要です。
Perlエンジニアのキャリア戦略:レガシー保守の安定感を活かしつつ、モダン技術へシフト
Perlエンジニアのキャリア戦略は、以下の3つの柱で構成されます。
- レガシー保守で安定して稼ぐ:金融機関や基幹システムで長年稼働しているPerl製バッチ処理・ログ解析スクリプトの保守案件は、今後も一定数存在します。Perlに精通したエンジニアは希少性が高く、単価も中程度〜高めに設定されることが多いため、レガシー保守で安定した収入を得ることができます
- PythonやGo/Rustへのスキル移行を計画的に進める:Perlで培ったテキスト処理・スクリプティングのスキルを活かしつつ、PythonやGo/Rustといったモダン言語へ移行します。まずはPythonで既存のPerlスクリプトを再実装し、次にWebフレームワークやクラウド連携を学ぶことで、キャリアの選択肢を広げます
- 業務知識と提案力を高める:Perlエンジニアは、長年特定の業界やシステムに関わってきたことが多いため、その業務知識を武器にすることができます。技術だけでなく、「どのシステムをどう改善すればコスト削減や効率化につながるか」を提案できるようになると、エンジニアから「業務改善の専門家」へキャリアをシフトできます
Perlエンジニアは、「Perlだけ」に固執するのではなく、レガシー保守の安定感を活かしつつ、モダン技術への移行を並行して進めることで、将来のキャリアをより安定したものにできます。
VBAエンジニアのキャリア戦略:Excel自動化の強みを活かしつつ、RPA/ノーコードへ展開
VBAエンジニアのキャリア戦略は、以下の3つの柱で構成されます。
- Excel自動化の強みを活かす:VBAで培ったExcel操作の自動化スキルは、多くの企業で依然として需要があります。月次レポートの自動作成やデータ集計など、定型業務の自動化は、業務部門にとって大きな価値です。まずはこの強みを最大限に活かし、現場からの信頼を築きます
- PythonやRPA/ノーコードツールへのスキル移行を進める:VBAからPython+pandas/openpyxlへの移行、あるいはPower AutomateなどのRPAツールへの移行を通じて、より広範な自動化を実現します。Pythonでデータ処理を拡張し、RPAでUI操作自動化を再設計することで、VBA単体では難しかった大規模な業務改善が可能になります
- 業務改善コンサルとしての視点を獲得する:VBAエンジニアは、現場の業務フローや帳票設計に詳しいことが多いため、その業務知識を活かして「どの業務を自動化すれば最も効果が高いか」を提案できるようになります。技術者から「業務改善の専門家」へキャリアをシフトすることで、単なるコーダーではなく、戦略的なポジションを目指せます
VBAエンジニアは、「VBAだけ」に固執するのではなく、Excel自動化の強みを活かしつつ、PythonやRPA/ノーコードツールへ展開することで、キャリアの選択肢を広げることができます。
共通するキャリア設計の原則:技術・業務・提案力のバランス
PerlエンジニアとVBAエンジニアに共通するキャリア設計の原則として、以下の3点が挙げられます。
- 技術的スキルのアップデート:レガシー技術に依存しすぎず、PythonやGo/Rust、RPA/ノーコードツールなど、モダンな技術スタックへ段階的に移行する
- 業務知識の深化:特定の業界や業務フローに対する理解を深め、技術だけでなく「業務の文脈」で価値を提供できるようになる
- 提案力の強化:技術と業務知識を組み合わせ、経営層や業務部門に対して「どのように改善すれば効果が高いか」を提案できるようになる
これらの原則を意識することで、PerlエンジニアもVBAエンジニアも、レガシーを活かしつつモダンへシフトするというバランスの取れたキャリア戦略を実現できます。
次の節では、本記事の内容を総括し、PerlとVBAエンジニアが今後10年を見据えてどのような行動を取るべきかを具体的に提示します。
PerlとVBAの将来性とエンジニアの生存戦略:まとめ

本記事では、PerlとVBAの将来性を「市場需要の推移」と「案件数の違い」という観点から分析し、PerlエンジニアとVBAエンジニアそれぞれの生存戦略とスキル移行のポイントを整理してきました。
PerlとVBAは、どちらも過去に広く使われた技術でありながら、現在はニッチな需要に収束しつつあります。
しかし、「もう終わった言語」と一刀両断にするのではなく、どの領域で需要が残り、どの領域で需要が縮小するのかを冷静に切り分けることが重要です。
Perlは、CGI全盛期からレガシー保守・バッチ処理へと需要が移行し、現在は金融機関や基幹システムでの保守案件が中心です。
案件数は多くありませんが、単価は中程度〜高めで安定しており、レガシー保守というニッチでは一定の需要が残っています。
一方、VBAはExcel中心の定型業務自動化と小規模内製ツールという領域に収束し、案件数は非常に多いものの、単価は比較的低めで内製案件が中心です。
両者に共通して、新規Web開発や大規模業務システムでの採用という領域は、ほぼ縮小していくと考えられます。
こうした現状を踏まえ、Perlエンジニアの生存戦略は「レガシー保守で安定して稼ぎつつ、PythonやGo/Rustといったモダン言語への移行を計画的に進める」という二段構えが現実的です。
Perlで培ったテキスト処理・スクリプティングのスキルは、Pythonのpandasやreモジュール、Goの標準ライブラリなどで十分に活かせます。
また、Webフレームワークやクラウド連携を学ぶことで、Perl単体では難しかった新規開発案件にも参画できるようになります。
VBAエンジニアの生存戦略は「Excel自動化の強みを活かしつつ、PythonやRPA/ノーコードツールへ展開する」という道筋が有効です。
VBAからPython+pandas/openpyxlへの移行により、より高度なデータ処理や外部連携が可能になります。
また、Power AutomateなどのRPAツールを使うことで、UI操作自動化の範囲を広げ、業務改善コンサルとしての視点を獲得できます。
VBAエンジニアは、現場の業務知識を武器に、技術者から「業務改善の専門家」へキャリアをシフトすることができます。
スキル移行の具体的ロードマップとしては、Perlエンジニアは「Python→Webフレームワーク→クラウド連携」、VBAエンジニアは「Python→RPA/ノーコード→業務改善コンサル」というステップが現実的です。
学習リソースの選び方も重要で、書籍で体系的な知識を身につけ、動画で実装の手順を学び、OSSで実践的なコードに触れ、実務案件で学んだ技術を定着させるというバランスが求められます。
PerlとVBAエンジニアに共通するキャリア設計の原則は、以下の3点に集約されます。
- 技術的スキルのアップデート:レガシー技術に依存しすぎず、PythonやGo/Rust、RPA/ノーコードツールなど、モダンな技術スタックへ段階的に移行する
- 業務知識の深化:特定の業界や業務フローに対する理解を深め、技術だけでなく「業務の文脈」で価値を提供できるようになる
- 提案力の強化:技術と業務知識を組み合わせ、経営層や業務部門に対して「どのように改善すれば効果が高いか」を提案できるようになる
これらの原則を意識することで、PerlエンジニアもVBAエンジニアも、レガシーを活かしつつモダンへシフトするというバランスの取れたキャリア戦略を実現できます。
PerlとVBAの将来性は「完全に終わる」のではなく、「特定のニッチに収束する」と捉えるのが現実的です。
エンジニアとしての価値を高めるためには、感情論やノスタルジーに流されず、データとロジックに基づいた冷静な判断が不可欠です。
本記事が、PerlとVBAに長く関わってきたエンジニアの方々にとって、今後10年を見据えたキャリア設計の一助となれば幸いです。
技術は常に変化しますが、既存の強みを活かしつつ、新しい技術に適応していく力こそが、エンジニアとしての真の生存戦略であると言えるでしょう。


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